保育士の配置基準とは?見直しの背景と今後の動き

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保育士の配置基準とは?見直しの背景と今後の動き

保育士の配置基準とは?見直しの背景と今後の動き

2025/04/25

投稿者:スタッフ

配置基準は今後変わる?

 

2024年に保育士の「配置基準」が見直されました。76年ぶりの見直しだったこともあり「今後も配置基準が変わるの?」と疑問に思っている人もいるのではないでしょうか。

 

配置基準とは国が定めた「保育士1人に対して何人まで子どもを見れるのかを決めた最低ライン」のことをいいます。保育士の配置基準とはなにか、見直された背景や、今後についても詳しく説明していきたいと思います。

 

■保育士の配置基準とは

 

保育士の配置基準とは、保育士1人が何歳の子どもを何人まで保育できるかを決めた人員配置の基準のことをいいます。国によって定められているものになり、1984年に子どもの安全と保育の質を担保する目的で作られました。厚生労働省によって国の最低基準が定められており、さらに自治体によって独自の基準を設けている場所もあります。

 

保育士の配置基準を満たしていないと、法律違反となり保育園の運営ができなくなります。また、認可保育園では1年に1度配置基準を満たしているかどうか、立ち入り調査も行われています。基準を満たしていない場合は、改善指導や閉鎖命令へと進んでいきます。意図的に改善されないときは、認可の取り消しなどのペナルティが発生することもあります。

 

■2024年に見直された保育士の配置基準

 

2024年より以下の変更が行われています。

 

・3歳児…子ども20人につき保育士1人から、子ども15人につき1人に改正

・4歳、5歳児…子ども30人につき保育士1人から、子ども25人につき1人に改正

 

また、2025年には1歳児も子ども6人につき保育士1人の配置から、5人につき1人に改定される予定です。

 

5歳児を担当する保育士の場合、日常の仕事以外にも小学校に提出する子どもの成長をまとめた書類の作成など仕事量も多くなりがちです。30人の子どもを1人で見ながらすべての業務をこなすことが現実的でないのはわかると思います。

 

こうした改革によって、保育士の採用人数を増やしている保育園も少なくありません。

とはいえ、人材確保が思うようにいかない保育園も少なくないのです。政府では、当面の間は経過措置をとるとして明確な期間は定めていません。一つの改革として良い事ではあるのですが、配置基準を改善せず運営してしまう保育園も出てきてしまう可能性もあるのです。

 

■保育士の配置基準が見直された背景は

 

保育士の配置基準が76年ぶりに見直された背景として、2023年4月に「子ども家庭庁」が設置されたことが大きく影響しています。なかでも「こども・子育て支援加速化プラン」として少子化対策が発表され、保育士の配置基準の見直しに踏み切りました。

 

とはいえ、今まで見直しや緩和が全く行われてこなかったわけではありません。2016年には「保育所等における保育士配置に係る特例」により、待機児童問題を解消する目的で保育士の配置基準の見直しが行われました。朝や夕方などの子どもの少ない時間帯には、保育士の数を2名から1名に緩和するなどの、細かな見直しも進んでいます。

 

他にも、見直しの背景には以下のような事情が考えられます。

 

・保育事故による問題

 

今までの配置基準では、4・5歳児を1人の保育士が見なくてはなりませんでした。1人で見るには限界がありますし、サポートが必要な子どもに時間を費やしてしまうと、他の子どもたちに目が届かなくなります。子ども同士の喧嘩や事故が起こりやすい環境になってしまう可能性もあります。また、保育士にとっても余裕のない状態になってしまい、不適切保育に繋がりやすくなります。こうした保育事故による問題を減らすためにも、配置基準の見直しが進んでいます。

 

・保護者の声による影響

 

子どもを安心して預けるうえで、保育士の配置基準の改善を求める声も少なくありません。現在は25人に1人の配置基準に変わっていますが、より少ない人数に見直してほしいという声もあります。保護者側はもちろん、保育士にとっても働きやすい保育園になるように、期待する声も上がっています。

 

■今後も配置基準の見直しが進む?

 

配置基準の見直しは、今後も進んでいく可能性が高いといえます。海外では、保育という考え方から教育へと変える動きが一般的になるなど、根本的な改革も進んでいます。日本の保育については昔から疑問の声もありました。子どもの安全を確保するのはもちろんですが、保育士にも目を向ける必要があります。保育士の処遇改善も年々進められているからこそ、保育環境はより働きやすくなっていくと考えられます。

 

■まとめ

 

保育士の配置基準の見直しが進んでいる背景や、今後も変わっていくことがわかってもらえたと思います。子どもにとってもより良い環境で過ごせること、保護者にとっても安心して預けられるようになります。また、働く保育士にとっても1人あたりにかかる負担を減らせるため、細かな部分にも目が行き届くようになりますし、余裕を持って働けるようになるでしょう。

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