保育士試験の特例制度とは?対象者・免除科目・実務経験をわかりやすく解説
2026/09/17
投稿者:スタッフ
保育士試験の特例制度とは?対象者・免除科目・実務経験をわかりやすく解説
幼稚園教諭免許状を持っている方の中には、「保育士資格も取得したい」と考えている方もいるのではないでしょうか。
実は、幼稚園教諭免許状を持っている方は、保育士試験の一部科目が免除されます。さらに、一定の実務経験などの条件を満たすことで、追加の科目免除を受けられる「特例制度」を利用できます。
これまで幼稚園教諭として働いてきた経験を活かして、保育士資格の取得を目指せる制度です。
ここでは、保育士試験の特例制度について、対象となる人や実務経験の条件、免除される科目、必要な書類などをわかりやすく解説します。
保育士試験の特例制度とは?
保育士試験の特例制度とは、幼稚園教諭免許状を持っている方が、これまでの実務経験や学びを活かして保育士資格を取得しやすくするための制度です。
幼稚園教諭免許状を持っている方は、通常の受験者とは異なり、保育士試験の一部科目が免除されます。
さらに、一定の実務経験を満たしている場合には、「保育実習理論」も免除の対象になります。
すでに幼児教育に関する知識や経験を持っている方が、その経験を活かして資格取得を目指せることが、この制度の特徴です。
幼稚園教諭免許状があれば免除される科目がある
まずは3科目+実技試験が免除
幼稚園教諭免許状を持っている方は、保育士試験の「保育の心理学」「教育原理」「実技試験」が免除されます。
幼稚園教諭として学んできた内容や専門性と関連するため、これらの科目が免除の対象となっています。
さらに、特例制度の実務経験に関する条件を満たすことで、「保育実習理論」も免除されます。
そのため、幼稚園教諭免許状を持っている方は、一般の受験者よりも試験対策が必要な範囲を減らせる可能性があります。
特例制度の対象になる人は?
実務経験は「3年以上かつ4,320時間以上」
特例制度を利用するには、幼稚園教諭免許状を持っていることに加えて、一定の実務経験が必要です。
基本的な条件は、幼稚園教諭免許状を取得した後、対象となる施設で「3年以上」かつ「4,320時間以上」の勤務経験があることです。
ここで注意したいのが、勤務年数だけではなく勤務時間も条件になっていることです。
「3年以上働いているから対象」とは限らないため、これまでの勤務期間と勤務時間を確認しておきましょう。
複数の施設で働いた経験も合算できる
これまで一つの園だけで働いてきた方だけが対象になるわけではありません。
複数の対象施設で勤務していた場合、それぞれの勤務経験を合算できる場合があります。
転職経験がある方は、「今の勤務先だけでは条件を満たしていない」とすぐに判断せず、過去の勤務先も含めて確認してみましょう。
実務経験は「幼稚園教諭免許状を取得した後」が対象
免許状を取得する前の勤務経験には注意
特例制度の実務経験について、特に注意したいのが「いつから勤務していたか」です。
実務経験として認められるのは、原則として幼稚園教諭免許状を取得した後の勤務経験です。
そのため、免許状を取得する前に幼稚園などで勤務していた場合、その期間をそのまま特例制度の実務経験として利用できるわけではありません。
過去の勤務先が複数ある場合は、免許状を取得した時期と、それぞれの勤務期間・勤務時間を整理して確認しておくと安心です。
どんな施設で働いた経験が対象になる?
幼稚園・保育所・認定こども園など
実務経験の対象となる施設には、幼稚園、認定こども園、保育所などがあります。
ただし、子どもがいる施設で働いていれば、すべての勤務経験が対象になるわけではありません。
特例制度では、児童の保護や幼児の教育・保育に直接従事した経験であることが重要です。
そのため、主な業務が事務、調理、運転などの場合は、実務経験として認められない場合があります。
保育園で働いた経験も確認してみよう
「幼稚園教諭として働いていた経験だけが対象なの?」と思う方もいるかもしれません。
特例制度では、対象となる保育所や認定こども園などでの勤務経験も条件に含まれる場合があります。
幼稚園だけでなく、これまで保育園などで勤務してきた方も、自分の勤務経験が対象になるか確認してみましょう。
指定保育士養成施設で学ぶと、さらに免除できる?
対象となる4つの特例教科目
特例制度では、実務経験だけでなく、指定保育士養成施設で所定の科目を学ぶことで、さらに保育士試験の科目免除を受けることができます。
対象となる特例教科目は、以下の4科目です。
・福祉と養護
・子ども家庭支援論
・保健と食と栄養
・乳児保育
それぞれ2単位、合計8単位を修得することで、対応する保育士試験の筆記試験科目が免除されます。
実務経験と「学び」はどちらが先でもOK
実務経験と指定保育士養成施設での学びは、どちらを先に行っても問題ありません。
すでに実務経験がある方は、必要な科目を学ぶことでさらに免除を受けられる可能性があります。
自分がどの条件を満たしているのかを整理して、必要な準備を進めていきましょう。
特例制度を利用するときに必要な書類
実務経験を証明する「実務証明書」
特例制度を利用する際に注意したいのが、実務経験を証明する書類です。
実務経験を証明するためには、所定の「実務証明書」が必要になります。
一般的な在職証明書や離職証明書があればよいというわけではないため、注意しましょう。
過去に勤務していた施設へ証明書の作成を依頼する場合もあるため、受験することを決めたら早めに準備しておくと安心です。
学びによる免除にも証明書が必要
指定保育士養成施設で特例教科目を修得した場合は、所定の証明書によって修得したことを証明します。
実務経験による免除と学びによる免除では必要となる書類が異なるため、自分が利用する制度に合わせて確認しておきましょう。
現在働いていなくても特例制度は利用できる?
現在、幼稚園や保育園などで働いていない方でも、過去の勤務経験が条件を満たしていれば、特例制度を利用できる可能性があります。
「今は保育の仕事をしていないから対象外」とは限りません。
過去に働いていた施設が対象となっているか、幼稚園教諭免許状を取得した後の勤務なのか、勤務期間や勤務時間が条件を満たしているかを確認してみましょう。
特に、複数の施設で勤務していた方は、勤務経験を合算できる場合があります。
特例制度はいつまで利用できる?
保育士試験の特例制度は、実施期間が延長されており、現在は令和11年度末まで利用できることになっています。
ただし、受験する年度によって試験日程や申請時期、書類の提出期限などがあるため、利用する際は最新の試験案内を確認することが大切です。
「まだ期間があるから」と後回しにせず、受験したい時期から逆算して、必要な書類などを準備しておくとスムーズです。
特例制度を利用するメリット
これまでの経験を資格取得に活かせる
特例制度を利用する大きなメリットは、これまでの幼児教育に関する知識や経験を、保育士資格の取得に活かせることです。
保育士試験では複数の科目を学ぶ必要がありますが、幼稚園教諭免許状や実務経験、指定保育士養成施設での学びによって、免除される科目があります。
そのため、必要な科目に集中して勉強しやすくなります。
資格取得後の働き方の選択肢も広がる
保育士資格を取得することで、幼稚園だけでなく、保育園や認定こども園など、これまでとは異なる職場も含めて働き方を考えられるようになります。
資格取得をきっかけに、「これまでの経験を活かして新しい環境で働きたい」と考える方もいるでしょう。
資格を取ることだけではなく、その先にどんな働き方をしたいのかまで考えておくことも大切です。
資格取得後の働き方も考えておこう
同じ保育士でも園によって働き方は違う
幼稚園教諭としての経験がある方であれば、その経験を活かして保育園や認定こども園などで働くこともできます。
ただし、同じ保育士の仕事でも、園によって仕事内容や働き方はさまざまです。
例えば、
・担当する子どもの年齢
・担任の持ち方
・行事の内容
・勤務時間やシフト
・職員体制
・ICTの導入状況
・保育方針
などは園によって異なります。
幼稚園から保育園や認定こども園へ転職する場合は、これまでの経験との違いも確認しておくと安心です。
求人票だけでは分からないこともある
保育士として転職先を探すとき、求人票に書かれている給与や勤務時間だけでは、実際の働きやすさが分からないこともあります。
例えば「残業少なめ」「アットホーム」と書かれていても、具体的にどのような働き方なのかは園によって違います。
資格取得後に長く働くことを考えるなら、条件だけではなく、自分が大切にしたい働き方と園の環境が合っているかを確認しておきましょう。
保育のソムリエなら資格取得後の転職も相談できる
「保育士資格を取得したら転職したい」
「幼稚園教諭の経験を活かせる園を探したい」
「まだ転職するかは決めていないけれど、どんな求人があるか知りたい」
そんな方は、資格取得の準備と並行して、資格取得後の働き方について情報収集しておくのもおすすめです。
保育のソムリエは、保育士・幼稚園教諭専門の転職支援サービスです。
求人をご紹介するだけでなく、担当者が園に直接確認し、現在の募集状況や希望条件で応募できるか、働き方について気になる点などを確認することもできます。
求人票だけでは分からない部分も確認しながら、自分に合った職場を考えられます。
まだ転職を決めていない段階でも、「資格取得後の選択肢を知りたい」という相談から始めることができます。
まとめ|幼稚園教諭の経験を活かして保育士資格を目指そう
保育士試験の特例制度は、幼稚園教諭免許状を持っている方が、これまでの経験や学びを活かして保育士資格を取得しやすくするための制度です。
幼稚園教諭免許状を持っていることで、「保育の心理学」「教育原理」「実技試験」が免除され、さらに一定の実務経験を満たすことで「保育実習理論」も免除の対象になります。
また、指定保育士養成施設で所定の科目を修得することで、さらに筆記試験科目の免除を受けることもできます。
特例制度を利用するためには、実務経験や必要書類などの条件を確認することが大切です。
これまで幼稚園や保育施設で働いてきた経験がある方は、自分が制度の対象になるか、一度確認してみましょう。
そして、保育士資格を取得した後の働き方まで考えておくことで、資格を活かせる職場の選択肢も広げられます。
保育のソムリエでは、保育士・幼稚園教諭の転職について、転職を決めていない段階からご相談いただけます。
「資格を取った後、どんな園で働ける?」
そんな段階からでも、お気軽にご相談ください。

