保育士さんの月案ガイド!月案の基礎知識とポイントを解説!|保育のソムリエ

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保育士さんの月案ガイド!月案の基礎知識とポイントを解説!|保育のソムリエ

保育士さんの月案ガイド!月案の基礎知識とポイントを解説!|保育のソムリエ

2025/05/30

投稿者:編集部

月案は、保育の中でもとても大切な計画です。子どもの発達や季節の行事に合わせて、保育をどう進めていくかを考えるための「地図」のような役割を持っています。毎月のねらいや活動を整理することで、子どもの姿がイメージしやすくなり、保育の見通しも立てやすくなります。

この記事では、月案の基本的な役割や作り方、年齢や月ごとのポイントについて、わかりやすく解説していきます。子どもたちの健やかな育ちを支えるために、ぜひ参考にしてください。

月案とは?日案・週案との違い

保育の計画には「日案」「週案」「月案」があり、それぞれ違う役割があります。

「日案」はその日の活動や予定をくわしく書き、「週案」は1週間の目標や行事、子どもの育ちの様子をまとめます。

月案」は1か月を見通して、保育の大きな流れを考えるためのものです。

月案では、その月の子どもの成長や季節の行事に合わせて、ねらいや活動をしっかりと考えます。こうすることで、週案や日案をつくるときも、方向がブレにくくなり、子どもの成長のつながりを意識して考えることができます。

また、月案をしっかり作っておくと、保育の準備がしやすくなったり、まわりの先生と情報を分かち合いやすくなったりします。子どもの健康や安全にも気を配りやすくなり、よりよい保育につながります。

月案を構成する基本項目:ねらい・活動内容・子どもの姿・援助方法・環境構成

月案には、保育の進め方をはっきりさせるために大切な内容がまとめられます。

具体的には、ねらい・活動内容・子どもの姿・援助方法・環境構成などです

月案をつくるときは、保育指針や年間目標を参考に作りましょう。その中で今月は、どのように子どもが「やってみたい」と思えることを引き出しながら、どんな風に関わるかを丁寧に考えるのが大切です。

月案を書くにあたって子どもをよく理解するためには、日ごろの観察に加えて、保護者の話を聞いたり、先生同士で情報を共有したりすることも役立ちます。そこからわかったことをもとに、手伝い方や環境の工夫をして、子どもの学びをもっと深めていきます。

また、家との連携や食事のしつけ(食育)の視点も取り入れることで、子どもにとって楽しく意味のある体験が増えていきます。先生たちが同じ気持ちで子どもを見守るためにも、月案の基本の内容をきちんと整理しておくことが大切です。

ねらいと活動内容を明確化するポイント

ねらいでは、子どもに身につけてほしい姿や達成したい目標を具体化します。活動内容は、そのねらいを実現するために必要な遊びや行事、経験を挙げていくように考えると整理しやすいでしょう。

ねらいと活動内容を関連づけて考えることで、保育士自身も保育の理由や目的を説明しやすくなります。また、活動内容は季節の変化や行事に合わせて柔軟に見直していくことが効果的です。

予想される子どもの姿と保育士の援助方法

予想される子どもの姿には、活動に興味を示す子どもの反応や発達段階ごとの行動、または特定の子どもが示す特徴的な動きなどが含まれます。これをあらかじめイメージすることで、場面ごとの援助のポイントがわかりやすくなります。

援助方法声かけ、環境整備、タイミングを踏まえたサポートなど多岐にわたります。子どもの主体性や自主性を伸ばすためにも、必要以上に介入しすぎず、見守りつつ的確なフォローを行うことが大切です。

環境構成と家庭との連携・食育

環境構成は、保育室や壁面、活動場所などについて記載しましょう。子どもたちが安心して活動できるスペースや素材の配置、掲示物などは、日々の経験を豊かにする重要な環境要素です。月案の段階で、必要な資材や配置を職員同士で確認しておくと準備がスムーズになります。

家庭との連携は、子どもの生活リズムや健康状態を共有する役割も担います。さらに、食育の視点には栄養だけでなく、食事の楽しさやマナーへの興味を育む狙いがあります。保護者とともに励まし合いながら進めることで、子ども自身も積極的に取り組んでいくでしょう。

年齢別に見る月案作成のポイント

年齢ごとに異なる発達段階への理解が、より適切な保育計画につながります。

一口に保育 月案と言っても、0歳から5歳までの子どもたちでは発達特性や興味・関心が大きく異なります。そのため、同じ行事や活動でも年齢に応じてねらいを変更したり、援助方法を工夫したりする必要があります。

年齢別の月案をきめ細かく作成することで、一人ひとりの個性や発達速度に合わせた保育を実現できます。次の項目では、各年齢に着目した作成ポイントを詳しく見ていきましょう。

0歳児:生活の安定と信頼関係の構築

0歳児授乳や睡眠など生活面の安定を最優先として捉える必要があります。スキンシップや抱っこの回数を増やし、保育者との信頼関係をじっくり築くことが大切です。

まだ体の発達も未熟なため、無理な姿勢や過度な刺激を与えないように注意します。月案では、生活習慣のリズムを整えながら愛着形成をサポートする援助方法を明記していきましょう。

また、保護者とのコミュニケーションを密に取ることで、家庭のリズムと保育所でのリズムを少しずつ合わせていきます。安心できる環境づくりが一番のポイントです。

1歳児:好奇心を促す環境づくり

1歳児身体機能が発達し、ハイハイや歩き始めなどで行動範囲が広がる時期です。好奇心を促す環境構成が重要になります。

例えば、舐めても安全な素材や触って感触を楽しめる玩具を用意し、子どもの興味を引き出します。月案では安全面にも配慮しつつ、遊びの幅を広げるためのアイデアをまとめておくと良いでしょう。

また、転びやすい時期でもあるため、クッション類や危険防止対策に気を配ります。子どもがやってみたい気持ちを受け止め、安心して挑戦できる空間を整えることがカギです。

2歳児:自我の育ちをサポートするねらい

2歳児は、自己主張やイヤイヤ期など、自我が急速に発達するのが特徴です。この時期は子どもの思いを受け止めながら、無理強いせずに選択肢を示す援助が大切となります。

活動内容の中に、好きな遊びを選べるコーナーや手先を使う遊びを増やすと、自主性や達成感を得やすくなります。月案では、子どもが「自分でやりたい」と思えるシーンを意図的に作ることを意識すると良いでしょう。

また、保護者への情報提供も欠かせません。2歳児の頃は家庭と保育施設が同じ方針で理解し合うことで、子どもにとって一貫性のある安心感を得ることができます。

3歳児:社会性や集団遊びの発展

3歳児になると友だちと一緒に遊ぶ集団遊びの機会が増え、 社会性が育ち始めます。月案では協調性や思いやりに焦点を当てた活動を意識的に取り入れるとよいでしょう。

子ども同士で対話する場面や順番を待つ場面を設けることで、基礎的なルールやコミュニケーション力を身につけていきます。トラブルが起きやすい時期でもあるため、保育者は上手に仲立ちをしてあげることも重要です。

保護者にも成長や社会性の芽生えを共有し、家庭での声かけと保育所での取り組みを連携させることで、子どもにとって充実した日々が生まれます。

4歳児:主体性を育む活動計画

4歳児自分で考えて行動する力が高まり、よりダイナミックな遊びや取り組みを求める傾向があります。月案には、子どもが試行錯誤できる活動や役割を与える視点が必要です。

例えば、製作活動で使う道具を自分で選び、テーマを決めたり、友だち同士で話し合って遊びを広げたりする場を設けると、新しい発見が増えるでしょう。

保育士はあくまでもサポート役として、一人ひとりのアイデアを尊重しながら、必要なときに援助を行う姿勢が求められます。主体性を伸ばすことで、子どもたちの達成感も格段に高まります。

5歳児:就学を見据えた総合的な成長支援

5歳児は小学校入学を間近に控える時期であり、心身ともに飛躍的な成長を見せます。月案では、読み書きなどの学習準備だけでなく、自主性や協調性をさらに高める活動を計画しましょう。

具体的には、絵本の読み聞かせや劇遊び、簡単なグループ作業などを取り入れ、思考力・表現力を合わせて育てることが効果的です。子ども同士のやりとりを見守りつつ、必要に応じてサポートを行います。

また、就学後の生活リズムを意識した話題や行事対応を織り交ぜることで、子どもたちの期待感や意欲を高めることができます。保護者との連携を密にし、子どもが安心して新たな環境に馴染めるよう準備を進めましょう。

月別のねらいと行事を整理する:季節感を活かした保育計画

季節の変化や行事を取り入れた月案は、子どもたちの豊かな感性を育てます。

日本には四季折々の行事や旬の食材があるため、それらを保育の月案に取り入れることで、子どもたちは季節を肌で感じる体験をしやすくなります。例えば春の花見や夏の水遊び、秋の収穫体験、冬のクリスマス行事など、イベントは多岐にわたります。

季節感を意識したねらいを設定することで、子どもたちの興味や学びがより具体的になります。また、一年を通した行事の流れを把握しておけば、職員間で計画を立てやすく、準備物の管理もしやすくなるでしょう。

保護者にも季節の行事や活動テーマを積極的にアナウンスし、家庭との連携を促すことで、子どもの経験が広がり充実度が高まります。

年間の行事と季節の行事を見据えた計画づくり

毎月の行事や年間イベントを一覧化し、それをもとに月案を作成すると、行事準備や活動がスムーズに進みます。行事の前後には子どもたちの興味を高める関連遊びを取り入れ、学びを深めることが重要です。

例えば運動会準備では、走る練習や体操遊びを取り入れ、当日は達成感を得られるように計画します。行事を主役に据えるだけでなく、そのプロセスや振り返りも含めた保育を目指しましょう。

特に7月〜8月の夏祭り12月のクリスマス会・発表会は大きな行事ですので、季節のイベントと園の行事のつなげ方、終わった後の学び方なども意識して計画したいですね。

月案作成の手順を押さえる:スケジュールと準備物

月案作成の流れを把握し、スムーズに計画をまとめましょう。

月案は、翌月の準備として通常、当月下旬から作成を始める施設が多いです。子どもの様子に合わせて目標と活動内容を言語化し、必要な資材リストを確認します。

職員間で情報を共有しながら作成を進めるようにすると、子どもの発達状況や行事予定に漏れがなくなります。書き込みやすいフォーマットを使うなど、作業効率を上げる工夫も大切です。

直前になってから作成すると、思わぬ準備不足が発生しやすいため、ゆとりを持って計画を組み立てましょう。

月案の作成時期・場所と職員間の連携

月案は通常、前月末から週案・日案と合わせて作成に取りかかります。早めに案だけでもリストアップしておくと、行事や活動内容の抜け漏れを防げます。

作成は静かな会議室や、保育後に職員が集まりやすい場所で行うとスムーズです。チームで話し合うことで、様々な視点からより良い月案ができあがります。

指導計画との連携:日案・週案・年案との関連性

月案は指導計画の一部として、日々・週ごと・年単位の計画と連動させる必要があります。

指導計画は、年案・月案・週案・日案と期間ごとに作られます。月案は年案から導き出される大きな枠組みをもとに、週案や日案の方向性を決める中間的な存在です。

子どもの成長は日ごとに変化するからこそ、定期的に月案を見直して修正を加えることが求められます。実際の保育現場では、突然の変更や子どもの体調不良などのイレギュラーが起こり得るため、柔軟な対応が肝心です。

日案・週案・年案だけでは把握しきれない細かい流れを月案で調整していくことで、保育環境をより明確にし、子どもたちが安心できる生活を実現できます。

文例を上手に活用する:書き方のコツと具体例

本やネットで見つかる文例を参考にしながら、わかりやすい月案を作成するポイントをご紹介します。

文例は、自分の施設やクラスに合わせてアレンジすると活用しやすくなります。他の保育士が書いた文例を参考にしつつ、子どもたちに合った表現に書き換えるのが大切です。

書く際は読み手を意識し、誰が読んでも想定する活動やねらいが理解できるようにシンプルかつ具体的にまとめましょう。

簡潔な表現と箇条書きで分かりやすくまとめる

月案は施設内で多くの人が共有する文章です。長すぎる文よりも短い文で要点をまとめ、箇条書きを活用することで読みやすくなります。

例としては「ねらい:春の自然に触れ、興味・関心を深める」「活動:花の観察、散歩、製作遊び」など、簡潔にまとめると職員間で話し合いやすくなります。

保育指針や先輩保育士の事例を参考にする

公式の保育指針やガイドラインに目を通し、年齢別に求められる配慮点や保育内容を確認しておくと、文例も書きやすくなります。

また、先輩保育士の実践例も参考にするといいでしょう。過去の事例を参考にしつつ、自分のクラスの事情や子どもの個性を反映させることで、より精度の高い月案へと発展していきます。

まとめ・総括:ポイントを押さえた月案作成で子どもの健やかな成長を支えよう

月案をきっちり作成することで、保育士自身も子どもの成長を強く実感できるようになります。さらに、保育士同士の連携や家庭との情報共有もスムーズになり、子どもの安全・健康面だけでなく、心の成長もより良くしていくことができます。

今回ご紹介したポイントを押さえながら、状況に応じて柔軟にアップデートし、子どもたちにとっても良い環境を用意していきましょう。月案が充実することで、保育士自身も大きなやりがいを感じられるはずです。

 

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